キリスト教会の典礼と暦:読書日記

1.J.F.ホワイト『キリスト教の礼拝』越川弘英(訳)日本基督教団出版局、2000年。
ISBN 4-8184-0373-3

 英語書籍の翻訳もの。キリスト教の礼拝に関する詳細な、かつ簡明な解説書になってます。礼拝の定義、教会暦との関係性、礼拝建築および音楽との関係、聖務日課、み言葉の礼拝、サクラメント、入信儀礼、ユーカリスト、そして諸種の通過儀礼に関する章から構成されています。
 個人的には冒頭の「第一章:キリスト教礼拝とは何か」において語られた、礼拝やそれに関する用語の定義に関する叙述が興味深かったです。全般的にはキリスト教の礼拝なるものにどのようなものが存在し、またキリスト教文化とはどのようなものなのか、断片的にでも知っている者にとっては刺激的な本ではないかと思えました。まったく知らない人間でも、一度でもミサなり教会見学なりをしたあとでは、楽しく読めそう。解説書としてはとても理解しやすい、良い本だと思います。


2.K.-H.ビーリッツ『教会暦:祝祭日の歴史と現在』松山與志雄(訳)教文館、2003年。
ISBN 4-7642-7221-0

 前者と比較すると、表題のとおり教会暦について詳細に語ったドイツ語書籍の翻訳書。ドイツ語専攻の学生としては語学の参考書としても価値がありそうです。キリスト教の二大祝祭圏といえる「復活祭圏」「降誕祭圏」というくくりを軸にして、1年間の祝祭のサイクルについて詳述しています。前者に比べてより専門性が増しており、初学者が取り組むには少々退屈な内容に思えるかも。前者の「第二章:礼拝と時間」を読了後、興味を持ったなら挑戦しがいのある内容かなと(フルカワは逆から読んじゃいましたけど…)。

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ウェストファリア条約

ウェストファリア条約の訳文を公開している、すごいサイトを発見。

ウェストファリア条約(「歴史文書邦訳プロジェクト」さん)

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玉置さよ子先生のゼミ(福岡教育大学)

 田中浩朗先生(福岡教育大学)がアップしている「15分間大学改革研究」を見ていたら、フルカワの記憶にひっかかるお名前を発見。

 田中先生の同僚でいらっしゃる玉置さよ子先生は、同大学中等社会教室のご所属。
ご専門はカトリック改宗の時期の前後の西ゴート王国(現在のスペイン地方、のはず)。

 玉置先生が管理されている福岡教育大学西洋史研究室のホームページは学部卒業論文のデジタルアーカイブを収めているなど、なかなかすばらしいサイトになっています。こちらの学生さんが作成した卒論、(内容的に)綺麗なものが多くて楽しく読めます。…おもわず自分の卒論を思い出したりして(もう一回書き直そう…)。

 フルカワが玉置先生の著作でチェックしたものは、
・「西ゴート王国のカトリック改宗について」『西洋中世の秩序と多元性』関西中世史研究会(編)、法律文化社、1994年5月。

 のはず。…カバー範囲が狭くてすいません(汗)。
 研究業績を拝見すると、トゥールのグレゴリウス『歴史十巻』内のスペイン方面の叙述に関する調査とかをされたらしいのですが、この点最近『歴史十巻』をのぞく機会があったので興味がわいていたりします。

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